
今回は海外移住をする前の準備として出国前にでやっておくべき手続きをまとめました。
手続きは余裕をもって3か月くらい前から準備と検討を始めましょう。
サンボビザ取得者だけでなく留学生や海外赴任者にも参考になればと思います。
移住前に行う準備まとめ
海外移住前にやっておくとよい手続きはこの7項目です。
- 海外転出届
- 医療保険(国民健康保険から脱退後)
- 国民年金
- 確定申告
- 運転免許証の更新
- 国際運転免許証
- 携帯電話
それぞれの準備や手続きでどんなことを考えなくてはならないのか。具体的な内容を解説していきます。
海外転出届
- 海外転出届を出すと住民税の支払いが免除となる
- 住民税の支払い義務は1月1日に決まる
- 届け出は14日前から
- 海外転出届を出すと国民健康保険と国民年金に影響する
海外転出届について
海外転出届(略称:転出届)を出すことで住民税の支払いが免除されます。住民税は1月1日に決まるので、この日をまたいで海外で過ごす予定の方は忘れずに自治体で手続きをしておくとよいでしょう。
詳しくはこちら→海外移住の手続き~海外転出届メリット・デメリット~
医療保険
- 海外転出届を出すと国民健康保険も脱退となる
- 保険は移住先の保険制度と個別の医療保険を比較
- スウェーデンは医療保障が充実
移住先の保険制度か民間の保険会社か
日本国民であれば国民健康保険に加入しているはずです。しかし自治体に海外転出届を出すと同時に国民健康保険からも脱退することになります。そのため、海外で医療保険・生命保険をどうするかは個人で検討していく必要があります。
まずは現地の保険制度を確認し、個別で民間の保険会社に入るかどうかを検討しましょう。保険制度は国ごとに本当に様々です。
スウェーデンは医療制度が充実
スウェーデンは福祉大国と言われ、医療保険の制度はとても充実しています。スウェーデンの個人番号(パーソナルナンバー)が取得できる方ならこの制度が適用されます。
詳しくはこちら→海外移住で保険はどうする~移住先の保険制度と個別保険の検討~
スウェーデンからの近隣国の旅行はEUカードを利用
EUカードを取得すれば他のEU / EEA諸国に滞在中、無料または低料金でその国の医療・歯科サービスを受けることができます。
詳しくはこちら→EUカードとは~旅行で安心、無料の医療保険~
国民年金
- 海外転出届を出すと国民年金は脱退となる
- 10年の受給資格を満たしているか確認を
海外転出届を出すことで強制加入義務はなくなる
海外転出届を出すと国民年金からも脱退となります。
そのまま脱退にしたままにするか、もしくは任意加入をするかという選択肢を選ぶことができます。
なぜ任意加入するのか
なぜわざわざ任意加入を検討するかというと、年金が受け取れるかどうかに影響してくるからです。(もちろん将来の受給額にも影響しますが、このサイトに来ている人は若い世代のはず。)
年金は60歳時点で「保険料を納付した期間+保険料を免除された期間+カラ期間」の合計期間で10年に足らない人は、1円も受け取ることができません。それまでいくら納付していたとしても10年未満だと0になってしまうんです。
そのため、多くの方はまずはこの受給資格を得るために任意加入を検討しています。ちなみに将来海外在住となっても老齢年金は受給することが出来ます。
任意加入する場合の手続き方法
もし任意加入をしたい方は年金手帳やマイナンバーカードを持って、年金事務所に向かいましょう。一般的な質問はコールセンターが手っ取り早かったです。
なお、すでに海外に移住してしまった場合などは委任状を使い代理人を立てることもできます。
私の体験談
自分の年金手帳を見て確認したところ、私の納付期間は9年でした。そこで私は受給資格を得られる10年目まで任意加入という形で納入し、一応の受給資格を得ておくことにしました。
一応海外在住でも受給できますし、将来お金に困ったら年金で物価の安い国にでもまた移住しようかな(笑)
さて、そんなことでネットを調べていたところ「2年前納」制度があることを知りました。
国民年金機構 2年前納制度
移住前に納入が出来てしまいますし、少し(15,000円ほど)お得です。年金の納入が10年ぴったりだと少し心配でもありましたし・・・。そんなこんなでこの2年前納制度を利用してみることにしました。
ただ実際に年金事務所に行ったところ、「2年前納」制度でも納入は年度での区切りになるということでした。そのため結局は平成29年9月~平成31年3月(19カ月)分、302,550円を前納しました。
一応これで最低限の年金受給資格は得たはず! です。
確定申告
- 確定申告は2月16日から3月15日まで
- 年度の途中で退職して来た場合、税金が還付される場合もある
- 日本に帰国予定がなければ納税管理人を立てておくと便利
(準)確定申告とは
確定申告とは1年間(1月1日~12月31日まで)の所得金額から計算して得られる税金を計算して納付する制度です。原則として毎年2月16日から3月15日までの間に、管轄の税務署に確定申告書を提出します。
会社に勤めているサラリーマンの場合は給与やボーナスから源泉徴収され年末調整があるため、確定申告は必要はありませんでした。ただし、年度の途中で退職された方、他の収入がある方、海外転出届を出し海外移住をされる方などは(準)確定申告が必要となります。
年度の途中で退職し海外に行く方は、納めすぎた税金が戻ってくる可能性大ですよ!
申請の流れ
申告方法としては状況により大きく2種類です。
- 出国の日までに納税管理人の届出を提出、翌年2月16日から3月15日までに確定申告
- 税管理人を選定せずに出国の日までに当年度の確定申告書を提出
なお還付申告(お金が戻ってくる場合)は確定申告の締め切りを過ぎても大丈夫です。還付申告は申告年の翌年1月1日から5年間申告することができます。
納税管理人とは
納税管理人とは納税者の代わりに日本の税務署に確定申告を提出したり、税務署からの連絡を受けたりする人です。
親族等の代理人を納税管理人としておくと、本人に代わって手続きが可能です。納税を代理する人がいない場合は税理士さん等を指定することもできます。
納税管理人を立てる場合には管轄の税務署で届出を行いましょう。
申告書はWEBで作成が便利
書類は国税庁のサイトで作成し管轄の税務署に提出するのが簡単です。
国税庁:確定申告書等作成コーナーのサイト
私は書類をWEBで作成し、データを納税管理人である両親へ送付。両親が税務署へ書類を郵送してくれています。
もしくはe-Taxでの申請方法もあります。e-Taxを使う場合マイナンバーカード(個人番号カード)とICカードリーダーがあれば海外からでも直接申請が可能です。
運転免許証の更新
免許証の更新は「有効期間満了年の誕生日の1ヶ月前から誕生日の1ヶ月後までの間」に行います。しかし海外渡航や出産など、事前に更新が出来ないことが分かっている場合は期間前の更新手続きができます。
更新の際には現在の運転免許証・手数料・パスポート・航空券など(海外に行くことを証明できる書類)が必要になります。
国際免許証(国外運転免許証)
- 国際免許証が利用できない国もある
- 有効期限は発行から1年間
- スウェーデンは免許の書き換えが可能
国際免許証とは
国際免許証(正式名称:国外運転免許証)は日本の運転免許証を持っていれば発行を受けられ、それにより海外で運転が可能になります。ただし全ての国で運転が可能なわけではなく、条約加盟国のみが対象です。
国際免許証が有効な国はこちら 警視庁 国外運転免許証が有効な国(ジュネーブ条約加盟国)
ちなみにスウェーデンも国際免許証が有効な国の一つです。
期限は1年間
国際免許証の期限は発行から1年間のみで、何回海外に行っても有効期限内であれば使用できます。
期限が切れたら古い国際免許証を返納し、新たな国際免許証を取得してください。
費用・手続き場所・必要書類
国際免許証の発行手数料は2,350円(平成30年4月1日~)です。
取得の手続きは運転免許センターや運転免許試験場などで可能です。運転免許に関わることなので管轄は市区町村の役場ではなく各県警になります。
また必要な書類は下記のとおりです。必要書類は県警ごとに異なる場合があるので、ご自身の住民票の県の警察HPを確認するとよいでしょう。
- 運転免許証
- 写真1枚(縦5センチメートル×横4センチメートル、無帽、正面、上三分身、無背景、枠なし、申請前6か月以内に撮影したもの)
- パスポート等渡航を証明する書類
- 古い国外運転免許証(持っている人のみ)
写真は大きさが違うと受け付けてもらえませんので注意してください。
国際免許証は書類さえ揃っていれば、申請したその日に受け取ることができます。
スウェーデンは日本の運転免許証の書き換えが可能
移住先がスウェーデンの方は日本の運転免許証をスウェーデンの運転免許証に書き替えることが可能です。
筆記試験や運転講習なしでスウェーデンの運転免許証を手に入れることが出来るので、長期間滞在予定の方は取得を検討されることをおすすめします。
詳しくはこちら→スウェーデン運転免許証の取得方法!日本の免許で取れる
携帯電話
- とにかく早めに現状の契約確認!
- 海外での契約方法を決める(携帯+SIM、SIMのみ)
- 移住先の携帯会社を調べる
海外で利用できる携帯への契約変更
海外で日本の携帯の通話機能を使うと国際通話になり高額請求をされてしまいます。そのため海外では海外で利用するための携帯を入手する必要があります。
日本の携帯の契約は縛りが多いため(特に大手キャリア)、海外移住を決意したら早めに現状の契約確認をしましょう。これは早ければ早いほどいいです。
また、スウェーデンで携帯の契約をしてみた体験をまとめたので、そちらの記事もご覧ください。
詳しくはこちら→スウェーデンの携帯電話事情。海外で初めての契約
まとめに
手続きは何かと面倒で時間のかかるものです。海外移住を決意したら、早め早めに準備を始めてくださいね。
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